実行プランの読み方をまとめてみる - その8 ( 全部一気に取得してしまって後続のオペレーターを待たしてしまう Eager Spool と要求されたら、データを取得し後続の処理にすぐ渡しちゃう Lazy Spool の二つの Spool オペレーターを説明してみる ) - - 都内で働くSEの技術的なひとりごと / Technical soliloquy of System Engineer working in Tokyo

　新年度になりました。気持ちも新たに頑張ります。旧年度の最後の記事はいまいちな内容の記事で終わってしまいました。
ryuchan.hatenablog.com

　前回の『実行プランの読み方をまとめてみる』では、ブロッキングとノンブロッキングオペレータについて説明しました。
ryuchan.hatenablog.com

　『実行プランの読み方をまとめてみる』シリーズは、今回で『その8』になります。その1から是非みてください。
ryuchan.hatenablog.com
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※特集っぽくやっておきながら、いつもまとまりがない感じになってしまう....

　今回は、Spool 系のオペレータである、Eager と Lazy について説明します。下記のクエリを SQL Server Management Studio で実行させましょう。Eager と Lazy Spool オペレーターを無理矢理発生させることが目的のクエリですので、クエリ自体の意味はあまり深く考えないでくださいwww

SELECT 
    soh1.SubTotal
FROM 
    Sales.SalesOrderHeader soh1
WHERE 
    soh1.SubTotal > ( SELECT
                          AVG(soh2.SubTotal)
                      FROM 
                          Sales.SalesOrderHeader soh2
                      WHERE
                          soh1.DueDate > soh2.DueDate
                     )

f:id:koogucc11:20160401063107p:plain

f:id:koogucc11:20160401063115p:plain

　Eager Spool と Lazy Spool は上図のような感じです、ではまったく理解できないと思うので、説明しますww

Eager Spool オペレーター
　Eager Spool は別のオペレータ (今回実行したクエリの実行プランでは、『Cluster Index Scan』) から受け取ったデータをすべて TempDB に格納します。一気にすべてのデータを TempDB に書きこむ"熱心"にお仕事してしまうオペレータなので、後続のオペレータ(今回実行したクエリの実行プランでは、『Stream Aggregate』)はその処理に待たされてしまいます。Eager Spool はいわゆるブロッキングオペレーターです。下図で Eager Spool の動きが確認できます。

Lazy Spool オペレーター
　Lazy Spool はそれぞれのデータが必要になったときに読み込み、TempDB に書きこみます。書きこんだら後続のオペレーターに即座にデータを提供します。Lazy Spool はノンブロッキングオペレーターです。下図は Lazy Spool の動きが確認できます。