都内で働くSEの技術的なひとりごと / Technical soliloquy of System Engineer working in Tokyo

都内でサラリーマンやってます。SQL Server を中心とした (2023年からは Azure も。) マイクロソフト系(たまに、OSS系などマイクロソフト以外の技術も...)の技術的なことについて書いています。日々の仕事の中で、気になったことを技術要素関係なく気まぐれに選んでいるので記事内容は開発言語、インフラ等ばらばらです。なお、当ブログで発信、発言は私個人のものであり、所属する組織、企業、団体等とは何のかかわりもございません。ブログの内容もきちんと検証して使用してください。英語の勉強のため、英語の

コンピテンシーについて考えてみる

 今日は技術的でない記事です。それは『コンピテンシー』です。Wikiでは コンピテンシー ( competency ) を以下のように説明しています。 ( なんで書こうかと思ったか.... 色々思う所があるのです.... )

 

この手法は、1970年代から米ハーバード大のマクレランド教授(心理学)がMcBer社とともに、1973年に学歴や知能レベルが同等の外交官に業績の差が出るのはなぜかを研究し、知識、技術、人間の根源的特性を含む広い概念として発表した。 コンピテンシー(competency)の定義としては従来、単に行動ディメンション、基準、特性、行動傾向を指すにすぎなかったが、ボヤティズ(Boyatiz,1982)によって次のように定義された。「コンピテンシーとは、組織の置かれた環境と職務上の要請を埋め合わせる行動に結びつく個人特性としてのキャパシティ、あるいは、強く要請された結果をもたらすものである」。また、「コンピテンシーとは、職務や役割における効果的ないしは優れた行動に結果的に結びつく個人特性である」とするEvarts(1987)の定義もある。 1990年代にアメリカで人材活用の場に取り入れられた。日本では近年の能力成果主義の導入とともに取り入れられるようになった。

職種別に高い業績を上げている従業員の行動特性を分析し、その行動特性をモデル化して評価基準とし従業員を評価することで従業員全体の質の向上を図ることを目的とする。企業などの人事考課に活用される。従来の日本型の人材評価は「協調性」「積極性」「規律性」「責任性」などから構成され、従業員の潜在的・顕在的能力を中心に評価していた。ただ、能力が高いことが成果とつながるわけではなく評価と会社への貢献度がリンクしないことがしばしばであった。一方、コンピテンシーは「親密性」「傾聴力」「ムードメーカー」「計数処理能力」「論理思考」など、具体的な行動で評価する。そのため評価と会社への貢献度がリンクしやすくなる。 その一方、高い業績を上げていても行動モデルとの乖離度が高いが故に、低い評価をされるという弊害も存在する。 また、評価基準が曖昧であったり、評価主体が恣意的な評価を行う事も容易で、例えば「嫌いな部下に低い評価を付ける」こともできる。 そのため、評価客体における納得度は低い場合が多く、モチベーションを下げ、優秀な人材の流出という事態も招いている。 人件費抑制やリストラの大義名分を得るための手段として用いられることもある。

また、米国ではコンピテンシーと採用選考が結び付けられて議論されることが多く、コンピテンシーを人材採用に活用した「コンピテンシー採用」というものもある。

 

 今までの『協調性』『積極性』『規律性』『責任性』といった曖昧になりがちな評価項目ではなく、『親密性』『傾聴力』『ムードメーカー』『計数処理能力』『論理思考』といったより具体的な項目 ( 項目は、採用する会社によってカスタマイズされるのだと思います。 ) で評価するものです。

 確かに曖昧な評価項目だと、評価する側の好き嫌いで評価が決定してしまうシーンが発生してしまいます。コンピテンシーを使った評価は、ある意味評価する側の各項目 (『親密性』『傾聴力』等)に関する部下の育成能力を向上させるためといったところなんでしょうか。個人的には、これが主目的なのかなと勝手に思っています。

 アメリカでは 80 年代から、ホワイトカラーを対象に、半年や 1 年程度の短期的な個人業績に応じて賃金を決める成果主義(ペイ・フォー・パフォーマンス)が盛んに導入されました。日本でも2000年前半から導入が開始され、様々な会社が導入しました。(有名なのはF社ですかね。成果主義に関しては、暴露本を出版されたましたね。)

内側から見た富士通「成果主義」の崩壊 (ペーパーバックス)

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 成果主義評価制度は社員に対して短期的な『結果』のみを求めるものでした。その結果、個々の社員のプロセスは完全に置き去りにされました。それにより、人材育成も蔑ろにされ、評価されない社員のモチベーションは低下していきました。

 このような状況と近年社会を支えてきた団塊世代の定年退職なども始まったこともあり、社員の育成、それを支える管理職の育成能力の向上を目的として、近年『コンピテンシー』の採用が加速しているのでしょう。 評価する側として、冷静に考えるとこれだけの評価をきちんと実施するには、相当な労力が必要でしょう。常に部下と対話し、方向性を確認していくなどきめ細やかな対応が必要だと思います。

 本質を理解しないままコンピテンシーを使った評価運用を行なってしまい、結局今までと同様な評価運用になっている企業もまだまだ多いのではないでのでしょうか。

 

※すべて個人的な見解です。

※アマゾンでもコンピテンシーに関する本が多数出版されていますね。コンピテンシー面接なるものも存在するんですね。

コンピテンシー・マネジメントの展開―導入・構築・活用

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コンピテンシー面接マニュアル

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参考資料:

成果主義及びコンピテンシー評価導入に伴うリスクに関する理論的考察 福田 秀人

http://www.rikkyo.ne.jp/~z3000268/journalsd/no3/no3_thesis5.pdf